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2010年11月30日 (火)

塀のない刑務所

安部 譲二の『塀の中の懲りない面々』がベストセラーになってから24年前が過ぎた。
今や、刑務所に塀のない時代である。(フェンスはある)

先日、「島根あさひ社会復帰促進センター」を訪ねた。
実態は刑務所だが、「社会復帰促進センター」という名称だ。
ここで「トヨタコミュニティコンサート イン あさひ~山陰フィルふれあいコンサート」が開催され、その司会を務めてきた。

「刑務所」と聞いてどのような連想をされるだろうか?
劣悪な環境下で厳しく監視され、過酷な重労働を強いられ、身心をすり減らしながら自らの犯した罪を受け止め償う所。
監獄をイメージする人も少なくはないだろう。

ところが行ってびっくり、見てびっくり。
その最先端ぶりに驚いた。

「あさひ刑務所」は国と民間企業が共同で運営しているが、山裾の広大な自然の中に突如として現れる、明るく清潔で近代的な建物群である。

建物がきれいなことはもちろん、受刑者一人ひとりにベッドとデスクとテレビが与えられている。窓には鉄格子はなく、明るい日差しが差し込み、眺望も良い。

衣類も囚人服とは思えない、明るい色味のスポーツウエア(?)が支給されている。

食事は、地元の新鮮で安全な食材を利用したメニューで、超健康食だ。
温かいものは温かく、冷たいものは冷たく管理して提供される。
ただ、従来の刑務所と変わらないのはいわゆる「臭い飯」。
米7麦3の飯。
(今や米あまりの時代だから、かえって経費がかかっているかもしれないが…。)

他にもコンサートや講演会も開かれる体育館、整備された運動場、快適で清潔な大浴場をはじめ、複数の診療科目を受診でき、人工透析までも受けられる充実した医療設備を誇る。
重病を患っても安心だ。

受刑者により良い生き方を促すために、動物セラピーや植物セラピーのプログラムも充実している。

社会復帰のための職業訓練では、パソコン技能の習得や、デジタル映像編集などの技能を磨いたり、センター内のパン工場で働いたり、理容師の資格が取得できる理容学校、重機オペレーターの取得コースなど充実した教育が受けられる。

もう一つ、従来の刑務所と変わらないことがある。
ヘアスタイルが坊主頭ということだ。

ここにいる受刑者は1750人。
一人当たりにかかる年間の費用は300万円という…驚きだ。
10年いたら3000万円。
30年いたら9000万円かかる。
国も大変だなぁと思った。

一方、地元の人を中心に採用し、この施設のお陰で地域振興に大きく貢献している。
スタッフは1500人を雇用しているのだ。
人口も増え、廃校寸前だった学校は息を吹き返したという。

今どきの刑務所にタマゲタという話である。

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